2011.1.23(日)、13:30-16:30、清水テルサ6階研修室
「袴田巖さんを救援する清水・静岡市民の会」主催の集会が開催されると聞き、参加してきました。こちらの集会は年2回(1月と7月頃)に開催されていて、冤罪で死刑判決を受けた袴田巖さんの救援を呼びかけています。資料はいつも大変充実していて、今回も24ページにわたる読み応えあるものでした。
このたびの集会の内容は、袴田事件弁護団の伊豆田弁護士による講演、布川事件での冤罪被害者の方の話、巖さんのお姉さんや各地で活動している団体の報告などでした。
集会内容の報告に入る前に…いわゆる「袴田事件」については、以下のサイトをご参照ください。
無実の死刑囚・袴田巌さんを救う会
袴田巖さんの再審を開き、無罪を勝ち取る全国ネットワーク
袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会(書庫)
●開会あいさつ~伊豆田弁護士講演
冒頭の開会あいさつでは、袴田巖死刑囚を支援する国会議員連盟会長の牧野代議士、市民の会代表・楳田さんから、これまでの活動報告などがありました。
講演では、伊豆田悦義弁護士が、新しく証拠として出されたステテコやブリーフの写真などから、証拠の問題点を指摘していました。
伊豆田弁護士と参加者との質疑応答からも、証拠の矛盾が話題になりました。加えて、裁判員制度が始まって市民の意見が判決に取り込まれるようになり、先輩裁判官が出した判決が後輩によって覆される事例も出てくるなど、袴田さん救出にとって好ましい状況も出てきています。
一方、今後も証拠が開示されていくようなのですが、どうも小出しにしか開示されないらしいです。事件にかかわる証拠は原則すべて、速やかに開示されるべきだと思うのですが。
●布川事件冤罪被害者 桜井昌司さんの話
今回のゲストは、布川事件の冤罪被害者である、桜井昌司でした。
布川事件については詳しくないので、以下のサイトをご参照ください。
布川事件のホームページ
桜井さんは冤罪で捕まり、警察で取調べを受けた体験談を、面白おかしく話していました。しかし、警察の取調べの手口は、外部との接触を絶たれ孤立している桜井さんにウソを言ってみたり、誘導尋問的な手法で取り調書を仕立て上げたり、挙句の果てには録音テープを改ざんするなどの、卑劣極まりないものだったそうです。
桜井さんいわく、「医者も弁護士も間違えたら責任を取る。しかし、警察や検察は責任を取らない。自分たちにストーリーに合わない証拠は隠す。冤罪をつくっている日本の社会を変えたい。」とのことです。
●袴田ひで子さん、団体からの報告
袴田巖さんのお姉さんのひで子さんからは、巖さんとなかなか面会できない現状や、巖さんが認知症や糖尿病などで闘っていること、支援のお願いなどがありました。各地の団体からは、「
浜松 袴田巖さんを救う会」、
狭山事件の支援団体、
横浜事件の取り組みを進める団体から連帯のあいさつがありました。
●感想、その他
袴田事件は、あまりにも矛盾が多すぎて、どう考えても冤罪事件だと思います。裁判所も検察なども、おそらくそうだと思っていながらも今さら方向転換できない…ような感じがします。
間違いに気付いたら速やかに正さなければならないのは、日常生活でも同様なのですが、変なこだわりがあってできないことがたまにあります。しかし、そんなこだわりのために、一人の罪のない人が命を落とそうとしているのなら大変な問題であり、それは速やかに正さなければならないと思います。
人の命、人権は尊いものです。そのことを肝に銘じながら、日々生きていきたい…と、改めて思った次第です。
お読みいただき、ありがとうございました。
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